夕方、家族でファミレスに行った。
シュシュは美味しいものを食べた時に「おいしい」と口に出すことが少ないものの、なんとなく挙動を見ていると「今この食べ物をおいしいと感じている」のがすごく伝わってくる。具体的に何を見て自分がそう感じるのかが気になっていたので、今日は注意深く見守った。
よくよく見ると、おいしいものを食べている時の口の動き、具体的にいうとタテの動きが通常時より大きく、くちびるはキュッととんがっている。本能的に、うまみを一滴も逃すまいとしているようだった。それから視線がその食べ物一点に注がれている。今日は彼にとって、ファミレスで初めてハンバーグを食べた日だった。手際よくナイフで切り分け、とんがりくちびるで一気に平らげた後、妻の分まで食べていた。思惑に捕らわれない、本能的な行動が愛おしすぎた。
そのファミレスに行った後は本屋に行くことになっている。「すごい言い訳!―漱石の冷や汗、太宰の大ウソ―」(新潮文庫)を購入。ネーネーには小説を、シュシュはクジラのフィギュアを買ってやった。
「江戸川乱歩名作選」を読んだ。ひと作品ひと作品が面白すぎて勿体なくて、少しずつ読んだ。まじで全部良すぎ。「白昼夢」なんて8ページしかないのに、悪夢を見そうなほどに恐ろしすぎる。「石榴」「押絵と旅する男」「人でなしの恋」「白昼夢」「目羅博士」「踊る一寸法師」「陰獣」、最後の一文字まで読みこぼすまいと、一週間近くかけて読んだ。
そういえば21日に初回が放送された「探偵ロマンス」(NHK)は、江戸川乱歩が主人公のドラマ。エキストラとして参加したこともあって観たけど面白いドラマだった。さすがは坪田文さん脚本。坪田さんはHUGっとプリキュアの脚本も手掛けてらしたので、信頼感が圧倒的すぎる。
ちなみにドラマにはばっちり3秒ほど映ってたけど、子どもたちからは「テレビに出たって言っても、いつも後ろを歩いてるだけやし、セリフもないし…そんなんで、ええの?」と非常に辛辣なコメントをいただいた。
辛辣~!(IKKO風)と思いながら、無言で首を振りました。