生活について

ミルクとコロナ

「午後の恐竜」(星新一)と「ミルクとコロナ」(白岩玄・山崎ナオコーラ)を読んだ。

星新一は中学生の時に随分と読んだ記憶があるけれど、ほとんど覚えていなくって、ちょこちょこ読み返している。表題作がとてもシニカルな物語で印象的。「ミルクと~」は白岩さんとナオコーラさんによる、子育てがテーマのエッセイが往復書簡のような形でまとめられている。コロナ前から始まり、コロナ真っただ中の現在まで。何より、タイトルがいいよなあと思う。

「アイドルを好きになるということは、現実からの逃避かもしれないが、逃避ができる場所があるというのは貴重なことだ」「私も、子どもには「何かを好きになるのって素晴らしいことだよ」と伝えたい。将来、もし子どもがアイドルにはまったら、おおらかに見守ろう」というナオコーラさんの言葉がと、現代の子どもたちのおかれている状況を鑑みる際に「マスク・手洗いネイティブ」という言葉で表現されていたのが印象的だった。

加えてネーネーなんかは小学校入学とともにコロナが大流行したので、給食は机をくっつけずに黙食するという、黙食ネイティブである。自分の子ども時代と比較してついつい「かわいそう」なんて思ってしまうけど、ネーネー自身はそれが当たり前だと思っていて、そういう境遇の中でも毎日思いっきり楽しく過ごしているので、「かわいそう」という言葉は絶対に使わないようにしている。ネーネーにとっての楽しい毎日を否定することになるので。
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