生活について

屋久島のこと

「この山にねがいをこめて」(群馬県警察本部 編)を読んだ。1960年代に発行された本で、谷川岳に駐在する警備隊員による記録や遺族の手記で構成されている。悲惨な山岳事故の記録ばかりで、特に「赤いザイル」というエピソードは写真付ということもあって強烈に印象に残っている。発生当時も、報道などによりよく知られた事故だったらしい。

ちなみにこの本の隊員の手記の章の終わりにレシートが挟んであった。1974年4月11日の日付で、印字された書店名を調べるとどうやら長崎の書店で購入されたものらしい。金明堂書店。長崎から幾度かの旅を経て愛知へ、そして愛知から大阪へ、ようおこし。

ふと思い出したことがある。

10年ほど前に屋久島に行った時、縄文杉を目指して歩くも、あいにくその日は雪が積もっていた。その時は友人のTもわたしも軽装で、かつ足元はスニーカーでとにかく滑るし雪に足を取られるしで大苦戦しながら2時間ほど歩いた。その時にフル装備(アイゼンをつけて、ストックを持っていた)のハイカーとすれ違いざまに「その装備でいくの?ぜったい無理だよ。この先は肩くらいの高さまで積もってるんだから」と言われ、そうは言われてもせっかく屋久島まで来たんだし…と先まで歩いた。結局ハイカーの言うとおり雪があまりにも深くて、あきらめて引き返したんだけど、もしあの時そのまま歩き続けていたら、きっとこの本に収録されているような事故にあったに違いない。当時は縄文杉まで行けなくて残念~くらいしか思ってなかったけど、あのハイカーに会って声を掛けられていなかったら…と思うとゾッとする。

Tとは縄文杉に再び挑戦しようなと誓い合ったけれど、覚えているかな。お互い子育て真っ只中なので今はまだ難しいけど、いつかまた行ってみたいぜ。
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