生活について

ハブ

・「あしたから出版社」(島田潤一郎)
・「新聞記者、本屋になる」(落合博)

「あした~」は夏葉社をされている島田さんのこれまでを描いた作品。夏葉社は「本屋図鑑」はじめ、何度も読み返したくなる、ずうっと手元に置いておきたくなるような本を作られている。遠くから見ていると、涼しい顔で良い本を次々出されている印象があったけれど、そこにもやはり紆余曲折があり、心がえぐられるような悲しいこともあり、現在に至っているのだった。

海文堂書店のことも出てきた。海文堂書店はわたしが活動を初めて間もない頃、書店の仕組みも何もかも知らずに突然ミニコミを持ち込んで「お店に置いてほしいんです」と直訴したとき対応してくださったのが、F店長だった。F店長はとても優しい笑顔でわたしの話を聞いてくださり、納品書とスリップの書き方を教えてくださった。3ヶ月という期限つきだったけど、お店の良いところに置いてくださって、本当に嬉しかった。最後に売れ残りを引き取りに伺ったときも、また新作ができたら持ってきてくださいね、これからもがんばってくださいね、と声をかけていただいた。結局忙しさにかまけて新作を作らずのうのうとしているうちに、突然海文堂書店の閉店が決まり、どういう顔でF店長に会いに行けばいいのかもわからずで、閉店までご挨拶に行かなかったことを、いつまでも後悔している。

「新聞記者~」は田町にある「Readin' Writin'」という書店を経営されている落合さんの、書店開業記とも言える本。2020年の3月にたまたまふらりと立ち寄った店で、素敵なお店だな~と30分ほどぐるぐる店内をまわって遠藤周作の「フランスの大学生」と和田誠「装丁物語」を買って帰った。

後ほどこのお店のロゴデザインをPERHAPSの北島さんが手掛けられたことを何かしらの拍子で知り驚いた。この本にもその辺のことが書いてあり、なんと店名も北島さんが考えられたそうだ。自分も何かお店やらをやることになったら北島さんに相談しまくろうと思った。(ちなみに一番最近北島さんにメールしたのいつかな~と思って過去のメールを見たら北島さんからわたし宛のメールのタイトルが「ひろくんへ」で笑った)

本をたくさん読んで、その全てを覚えているかと言われると全然そんなことはない。高校生のときはひたすら三島由紀夫を読み漁ったけれど、細かい内容はほとんど忘れてしまった。だけど本を読んでいると、その時の生き方や考え方や心をピカッと照らしてくれるような一文が出てくることがあって、その瞬間のために本を読んでいるような気がしている。そういう文や言葉のことはいつまでも覚えている。あとは強烈にインパクトのある言葉なんかも。

自分の記憶の中で一番古い、本で印象に残っている言葉って何かな…と考えていたら、小学生の時修学旅行先のお土産屋さんで立ち読みしたハブ(ヘビ)と戦うおじいさんの漫画の、おじいさんがハブに向かって言った「このエロハブめ!」かな。

自分の人生にはおおよそ関係ないし一瞬で忘れていいようなセリフなのに、あまりにもインパクトが強すぎて、忘れられない。
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