生活について

表札

8時前には家を出て、子どもたちとパウパトロールの新作映画を観た。今作もケントの的確なオペレーションと圧倒的な信頼を寄せ合う犬たちの見事なチームワークに唸った。ロイヤル王国のプリンセスのいとこ?の男性が非常に悪い人で、プリンセスと暮らしているスウィーティーという犬と結託してロイヤルストーンを盗み出し、なんとそのロイヤルストーンの効果で対象物を浮遊させることができるというチート能力を身に着けてしまう。城を持ち上げることもできて、もう呪術廻戦の世界にいてもおかしくない能力なんですけど、最後はまあパウパトたちの活躍によって無事終結。子どもたちもとてもおもしろかったと言っていた。

本屋に行って、好きな本を1冊ずつ買うたろ!と言うと子どもたちはタタッと散って、シュシュは絵本を、ネーネーは「香るわたしにキスをして」(壱コトコ)という発売されたばかりの少女漫画を買った。ネーネーいわく、表紙を見てこれは間違いないやつって分かったとのこと。わたしは「石垣りん詩集」(伊藤比呂美編)、「ぷにるはかわいいスライム」(まえだくん)「光が死んだ夏」(モクモクれん)、「カヤちゃんはコワくない」(百合太郎)を買った。

家に帰ってカレーを煮込みながら本を読んだ。

・「13坪の本屋の奇跡」(木村元彦)
・「石垣りん詩集」(伊藤比呂美編)

石垣りんの「挨拶」という、終戦後に書かれた詩に胸が締め付けられる。
(原爆により犠牲になった方の写真の隣に添えられた詩だそうです。)

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「挨拶」

あ、
この焼けただれた顔は
一九四五年八月六日
その時広島にいた人
二五万の焼けただれのひとつ

すでに此の世にないもの

とはいえ
友よ
向き合った互の顔を
も一度見直そう
戦火の跡もとどめぬ
すこやかな今日の顔
すがすがしい朝の顔を

その顔の中に明日の表情をさがすとき
私はりつぜんとするのだ

地球が原爆を数百個所持して
生と死のきわどい淵を歩くとき
なぜそんなにも安らかに
あなたは美しいのか

しずかに耳を澄ませ
何かが近づいてきはしないか
見きわめなければならないものは目の前に
えり分けなければならないものは
手の中にある
午前八時一五分は
毎朝やってくる

一九四五年八月六日の朝
一瞬にして死んだ二五万人の人すべて
いま在る
あなたの如く 私の如く
やすらかに 美しく 油断していた

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「石垣りん詩集」(岩波文庫)より引用
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