7時半に家を出て東京へ。
新幹線では、隣の席の女性がプリンを食べていて、最後に容器の底をカッカッカッカ!と激しく突きながらすくって食べてらしたので、「刑務所の中」(花輪和一)のカレーが出た日の音!と思いながら、本を読んだ。早めに目的地に着いたので、駅に併設されている本屋に入った。自動ドアが開いた瞬間、大学時代によく行っていた本屋のにおいがして、胸がいっぱいになった。新しい紙のにおい、っていうのかな。
本をこちょこちょ購入。仕事。
仕事終わり、東京駅でマッハで買い物を済ませて帰宅。夏休み最終日の子どもたちにおみやげを渡してにこにこで就寝。
読んだのは「私の文学史」(町田康)、「書痴漫画」(山田英生 編)、「二十世紀旗手」(太宰治)。特に「私の~」がとても良かった。最も印象に残ったのが「詩について」の章での、「わかる」と「わからん」について書かれた文章。
要約すると、そもそも「わかる」には2種類あって「理解できる」というニュアンスの「わかる」と「共感できる」のニュアンスの「わかる」がある。「わからん」についても同様に2種類ある。包括的に考えると「わかる」「わからん」は合わせて4種類あることになる。
ひとつめは「わかるしわかる」、理解できるし共感もできる。俳句がこれ(詳しくはぜひ本文を見てほしい)。ふたつめ「わからんけどわかる」理解には及ばないけど共感できる、詩などがこれに当たるそう。みっつめ「わかるけどわからん」理屈はわかるけど共感できない。これは日常生活でもよくあるやつ。よっつめ「わからんしわからん」自分の場合は、あまりに前衛的な芸術に触れたときこの感覚になる。わかるわからんについてちゃんと考えたことがなかったので、ふむふむとなった。
その他にも良すぎた箇所がいっぱいあって、本は付箋だらけになった。
・「おもしろい」とは、「緊張の緩和」である
・良い随筆を書くコツは、そのときどきの本当の気持ちを書くこと
・文章がうまくなろうと思ったら、本を読む以外には何もない。それ以外はない。
・「ッエッエエー」と歌う、すごい声の人。(←森進一のことを紹介するくだりで)
森進一のこと、そういう目線で見たことがなかったので新鮮でした。