生活について

中止

7年分の日記漫画をまとめた本をつくった。全486ページ、分厚さも相当なもので、3.5センチある。少年ジャンプより厚い。積み重ねてきたものの重さを感じてしみじみした。

それと同時に、コロナ隔離中にこさえた絵本も届いた。こちらはケチって安い印刷会社に製本依頼をしたので、絵本とはいえない安っぽい仕上がりになってしまった。でもまあ、初めて作ったにしてはなかなか思う通りにできたと思う。何より、「絵本」という新しい試みをスタートできた喜びが大きい。やったぜ。

と思っていたら、諸般の事情により仙台で予定していた作品展が中止になった。ギャラリーチフリグリのIさんに多大なご迷惑をおかけしまった申し訳なさと、もろもろのやりきれなさで気持ちがドーンとなった。

今年はスケジュール帳に何度、「中止」という文字を書き込んだことか。もう溜息すら出ない。気持ちを切り替えて、前向きにやっていくしかない。

年間を通じていろいろと消化不良になってしまったけれど、そのおかげで考えを整頓する時間が随分とあった。ものづくりをする上での自分の指針のようなものも見えてきた。

・アイデアは深く考えて簡潔に表現する
・積極的に未体験を体験する
・誠実に、誠実に

とても単純なことだけど、これを言語化できたのは大きい。

「インタビュー」(木村俊介)を読んだ。数多くの名インタビューを手掛けてこられた木村さんのインタビュー論。わたしがインタビューをする機会はまあないけれど、商談などの際のコミュニケーションについて参考になった。特に印象に残ったのが、以下の箇所。

「『上に上に』と向上心があったり、あるいは使命を帯びたようにものを作り続けている人たちというのは、それなりに『負け続ける人』でもあるんじゃないかと思うんです。負けて、成長する。だから、次に行けるという人たちなんじゃないか。勝ちより負けのほうを覚えている人が、進んでいく人になるんじゃないか、と」西尾維新さんと羽海野チカさんの対談の中での西尾さんの言葉。

「取材者として多くの人の認識を聞いて調べるうちに、私の考えが変わったのは、この「同じ事実についての話」に対してのものだった。人は、ラップミュージックや漫才の一作品ずつを推敲して練りあげていくのとも似ているぐらいのプロセスで、同じような話を時には何度も続けて語るなかで視点や理解を磨いていくことが多いようだと気づいた。」(以上、「インタビュー」(木村俊介)より抜粋)
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