生活について

2022年ありがとうございました

あっという間の大晦日。

クリスマスの朝。子ども達が早くに目を覚まし、こしょこしょ小声で話し合ってリビングにドタドタ走って行き、歓声をあげていた。ネーネーは「シャボンDX」、シュシュは「ぷにょぷにょアクアリウム」をもらっていた。ケーキがあまり好きでない子どもたちなので、夜はいちごの山を妻が準備してくれて、その先っちょにローソクを刺してクリスマスの歌を歌った。

以来、ネーネーはシャボンDXで、せっせと石鹸作りに勤しんでいる。シュシュは文字通りぷにょぷにょする海洋生物を作るのに忙しそう。

仕事は29日に納めて、原稿は昨日納めた。6月くらいから色々と言葉では尽くせないほどに大変なことが多すぎて、無事年末を迎えられたのが奇跡のように思う。いやあ、もう充分にがんばった。

来年は明るい話もいくつかあって、とても楽しみにしている。製作の方はとにかく絵本、絵本をつくっていきたい。

2022年最後に読んだのは「大江健三郎自選短篇」。以前読んだ「芽むしり仔撃ち」が良すぎて、こんなどえらい作品を書く人が自分で選出した短篇って、とんでもないことになってんちゃいまんのという期待感を込めて買ったけど、想像の遥か上を行く良さだった。自分の拙い言葉で感想を述べるのが烏滸がましいけど、個人的には初期の短篇が好きだった。一言でいうと「死」「臓物」「暴力」「性」「光」。中期以降は感情のゆらぎというか、人の内面部分の表現が印象深かった。「静かな生活」が、伊丹十三の同タイトルの映画(めっちゃ好き)の原作ということに途中まで気づかず、デジャヴュを感じながら読み進めた。「イーヨーって、あのイーヨー!」となった。

印象に残ったフレーズは以下の通り。

「無垢(イノセンス)は、知恵とともに住んでいるが、無知とは決して共生することがない」(「大江健三郎自選短篇」"怒りの大気に冷たい嬰児が立ちあがって"冒頭より抜粋)

「長い月をかけて、経験を通して、それを養わねばならない。そうすれば自分が知らない大きさの困難に出会った際に、この習慣が助けになる。」「私は若い年で始めてしまった、小説家として生きることに、本質的な困難を感じ続けてきました。そしてそれを自分の書いたものを書き直す習慣によって乗り超えることができた、といまになって考えます。そしてそれは小説を書くことのみについてではなく、もっと広く深く、自分が生きるころの習慣となったのでした。」(「大江健三郎自選短篇」あとがきより抜粋)
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