生活について

ラブストーリーは突然に

「私の生活改善運動」(安達茉莉子)を読んでいて、ふと「ていねいな暮らし」という言葉がよぎった。

安達さんは生活のひとつひとつに妥協のない選択を重ねていくことで、暮らしを心地よいものにされている。今まで「ていねいな暮らし」という言葉を聞くと、それだけで「しゃらくせえ!」と絶叫していたけれど、もしかすると安達さんのような暮らし方のことを「ていねいな暮らし」というのではないかと思った。

そういう観点でいくと、ガンダムのプラモデルを作る時にパーツを切り取った部分を目立たないようにヤスリで削ったり、トーストの四隅にまでくまなくバターを塗っていることなども、ていねいな暮らしと言えるのではないか。わたし、案外ていねいな暮らしやってまんのとちゃうか。と、穴の開いたボロボロのパジャマを着たまま思った。

妥協せず、かわいいお花柄のモコモコしたパジャマを探すんだ。

毎朝出勤時に駅から一緒になる某銀行の男女がいる。男性は今年入社の新人で、女性はその先輩(会話の内容で分かった)。某銀行前まで同じ道を歩く。春から現在に至るまでの関係性の変化を、その10分ほどの間に感じている。

今日は信号待ちのとき、女性先輩が「さむい」と言うやいなや、男性新人が女性先輩の手を包み込むように握って「めっちゃ冷たいですね」と言う瞬間を見てしまった。そしてその女性先輩の手が固く握られたのを見て、ワーッ!となった。ちょ、わたしの手も冷たいんですけど確かめて!と叫びそうになった。まだお付き合いはしていないっぽいけれど、確実にふたりの物語が動き出したことが分かった。

火照った顔に、冷たい風が気持ちいい。ふたりに幸せな結末が降り注ぎますように。
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