生活について

ネガティブ・ケイパビリティ

「ネガティブ・ケイパビリティで生きる」(谷川嘉浩・朱喜哲・杉谷和哉)を読んだ。哲学者ら3人による、ネガティブ・ケイパビリティについての鼎談をまとめたもの。ネガティブ・ケイパビリティとは、あえて拙速に答えを出さず、宙ぶらりんの状態でもやもやと考え続ける能力のこと。「わからないことに耐えながら、じっと観察をして本質にじりじり迫っていく」と書かれている。

途中で出てきた「私たちの疲労」というワードには唸った。長時間の会議には意味がある。というのも、時間をかけて意見を投げ合い、お互い疲弊してくると党派対立なんかもどうでもよくなり「ほなもうこれで」と意見が収束する。和解や合意に至るには、いったん一緒に疲れる必要がある、というもの。

あとは途中で引用していらした荻上チキさんの「金づちしか持っていない人は全ての物が釘に見える」という言葉。限られた語彙しか持たずにいると、全てがその語彙で理解されてしまう。
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