7時過ぎに家を出て、駐輪場の更新を経てコメダ珈琲。一年のふりかえりフリーペーパーの仕上げ作業。なんとか今年も完成。
今年の読み納めは「デス・ゾーン」(河野啓)。2018年にエベレストで亡くなった登山家、栗城史多の多くの謎に迫る。開高健ノンフィクション賞を受賞した作品。
栗城さんは同い年ということもあり、当時の様子は気にしていた。彼の登山が徐々にエンターテイメント化していく様、登山家としての技量への懸念、SNSでの立ち振舞など、危ういなあと感じながらも、やはり同い年である好から心の何処かでは、最後には登頂を遂げてほしいという思いがあった。
栗城さんの大学の先輩は「頑張ってください、勇気付けられました、と言われれば、その声に応えたくなるのが人間です。これは外すことのできない鎖を、自分に巻き付けていくのと同じです。」と言う。
何度もエベレストへの登頂に失敗し、最後はプロの登山家が見るとどう考えても無謀なルートを選択した。彼は自ら死を選択し、栗城劇場に終止符を打ったのではないかと書かれている。終盤では少々オカルト的な展開もあり、多くの要素が複雑に絡み合って、彼の掲げるものが一種の呪いとなり彼自身を苦しめていったことが分かる。