三田で仕事。
駅前でレンタカーを借りた場所が小学生のときに通った塾の前だったり、商談相手が三田出身で北摂三田やら三田学園やらの話で盛り上がったりと、なかなかエモい一日だった。商談の始まりは緊張感があったものの、商談部屋に突然ムカデが出現したことにより一瞬にして一体感が生まれた。皆は壁にへばりつくように固まり、わたしは近くにあった袋でムカデをシャッと掴んだ。近くにあった袋でシャッとムカデを掴む経験は実は初めてではなく、それは大学時代のアルバイト先(スーパー銭湯)にムカデが出たときぶり2度目。
仕事の後にBarnshelfまで。小前さんの近況を聞いたり、山の話をしたり。ピャッと買い物ををして、ピャッと電車に乗って大阪に帰った。
「なぜ花は匂うか」(牧野富太郎)を読んだ。植物を愛し、「植物と心中を遂げる」とまで言うほどに研究に没頭する彼の情熱に感服するしかない。まあ専門的な内容も多かったけど、果実についての記載はホホホとなった。みかんは果実の中の毛を、バナナは果実の中の内皮を、栗は種子を、桃は果皮を、梨やりんごは花弁を、いちごは茎の末端を、我々は食らっているとのこと。
寺田寅彦の「落ちざまに虻を伏せたる椿かな」という句を植物学者の目線で痛烈なおディスをかましてみせたり、椿愛が強すぎるあまり山一面を椿で埋めてしまいたいと言ったりと、なかなかキレッキレ。