先日の鬼連勤の代休。資格更新の課題をやっつけて、4コマ漫画を2本描いて予約投稿に設定し、さとうわきこ展(神戸ファッション美術館)に行くべく家を出る。あまりも暑すぎて玄関を出た瞬間、家に戻る。レタスと白米をもりもり食べて、本を読んで静かに過ごした。「砂絵縛後日怪談」(野坂昭如)、「1st BLAZE LANGTANG VALLEY」(MIDNIGHT PIZZA CLUB)を読んだ。
「砂絵~」表題作はなんというか、「エロ事師たち」に通じる何かしらを感じる。野坂昭如が怪談を描くとこんなふうになるのですね。
そしてそして、「1st~」これがまた良かった!俳優の仲野太賀、TVディレクターの上出遼平、写真家の阿部裕介による旅サークル「MIDNIGHT PIZZA CLUB」の結成の由来に始まり、ネパールの秘境に挑む3人の姿が、上出さんの痛快な文体と阿部さんのキラッキラに光る写真で描かれてゆく。大の大人が無邪気に旅を行う楽しさというものがギュッと詰め込まれていて、汗臭くて、ときどき下品で、ユーモアがページの隙間からこぼれ落ちてくる。現地で異国の人々とラップバトルを行う仲野太賀のくだりも笑った。そして時々ニュッと登場する伊賀大介のなんともかっこよろしいこと。わたしたちが若い頃にカリスマとして憧れていた伊賀大介が今もなお格好良く生きていることに、勝手に嬉しくなる。本の装丁やら佇まいも、センス抜群。
「台所は良い。余計なことがない。腹を空かせている人のために、肉や野菜が切られたり潰されたり熱を加えられたりして、料理に変わっていく。小さなスペースで行われる数十分間のことだけれど、人間の生の営みが凝縮されている。」
「ただ生きる。生き抜く。命を繋ぐ。それだけで素晴らしい。もちろんそうだと思う。けれど私たちは飽き足らない。一所に腰を据えて、身の回りの喜びだけを丁寧に享受する生き方を、私たちは知らない。だからどうしても、旅に出たくて仕方がない。」