生活について

夢は切断された果実である

「ふらんすの椅子」(鈴木るみこ)、「遠慮深いうたた寝」(小川洋子)、「左川ちか詩集」など。

「ふらんす〜」は巻末に掲載されている牧野伊三夫氏による「るみちゃんへ」という追悼の文章が如何にも切ない。「僕らは、時代が進んでいくなかで、経済や効率が優先され、暮らしか手ざわりや情緒といった美が消えていくことを、よく嘆いた。」

この本に載っていた、おあげさんを軽く焼いて、白味噌と味醂とごま油を練った甘いタレとネギをつけて食べるやつ。無性にそそる。

「遠慮深い〜」については、とある舞台での「よくがんばったね」というセリフが「強く鼓膜を震わせ」たとあった。「『がんばれ』という言葉の持つ無責任さとは正反対だ。」と続く。未来に向けて努力を強いる言葉ではなく、過去と現在を肯定する優しい言葉。子どもたちと関わるときにも、心に留めておく必要がありまんがなだった。

佐川ちかの「花」という詩。

夢は切断された果実である
野原にはとび色の梨がころがつてゐる
パセリは皿の上に咲いてゐる
レグホンは時々指が六本に見える
卵をわると月が出る
生活について